【第16回マモリクラブ人事会レポート】人事・採用の「他社はどうしてる?」が気軽に聞ける交流会|5/21(木)東京開催分
2026年5月21日(木)、東京にて【第16回マモリクラブ人事会】を開催しました。
今回のテーマは、「採用、欲しい人物像」。
今回も17名が集まり、会場は熱気に包まれました。
激化する採用市場において「自社が本当に求める人材」をどう定義し、いかに見極めて惹きつけるか。日々そんなリアルな課題に向き合う実務担当者同士が集まり、各社の具体的な取り組みや本音の悩みをもとに活発な意見交換が行われました。
本レポートでは、その内容をダイジェストでお届けします。

■マモリクラブ人事会とは
「マモリクラブ人事会」は、人事・採用・労務の実務者同士が、他社の取り組みや最新情報を気軽に共有できる交流の場です。

参加者がネットでは得られないリアルな現場の知見を持ち帰り、会社の守備力強化につなげることを目的としています。
【第1部】自己紹介
アプリ開発やAI・Web・スマホ開発、DX推進支援、システム開発といったIT領域をはじめ、医療・訪問看護・福祉、食品工場経営、食品EC物流、卸・小売・飲食、リスキリング事業、建設コンサルティング、スポーツ・映像制作など、今回も多種多様なバックグラウンドを持つ17名の皆様にご参加いただきました。

自己紹介では、各社の現状や課題感、今回の参加目的が具体的に語られました。
「採用ターゲットや欲しい人物像をどのように設定すべきか整理したい」
「新卒採用や新人研修をどのように設計・運用すべきか悩んでいる」
「エンジニアや専門職など、採用が難しい職種の母集団形成や定着に課題がある」
「人事・総務・採用を兼任しており、他社の進め方を参考にしたい」
「人事としての経験が浅く、他社の取り組みや考え方を学びたい」
などの声が挙がり、採用・教育・定着をはじめとする人事領域全般における、実務に直結するリアルな悩みが共有される場となりました。
【第2部】事例共有|株式会社Awarefy様
株式会社Awarefy様より、超実践的な採用マーケティングと見極めのノウハウが共有されました。
現在の組織規模において「1人の採用ミスマッチは命取りになる」という強い危機感のもと、面接だけで終わらせない様々な工夫をされています。
まず特徴的だったのは、候補者を惹きつけるための選考シナリオ作りと、社内の「4つの役割(フォロワー、モチベーター、インパクター、クローザー)」の明確な意識づけです。
人事が「フォロワー」として全体のストーリーを設計し、初回面談で「この候補者は誰に会わせると最も心が揺さぶられ、効果が最大化するか」を判断します。
時にはインパクトの強い役員(インパクター)を面談に起用し、その後に人事が細やかにフォローに回るなど、役割分担による緻密な動機付け(アトラクション)を行っています。
これらの役割は、専任の担当者を置かなくても、1人が複数を兼務する形で現実的な運用に落とし込んでいる点が非常に印象的でした。
次に、参加者から特に驚きの声が上がったのが、ダイレクトリクルーティングにおける「スカウト返信から5分以内アプローチ」の徹底です。
候補者がスカウトに返信した直後は、まだ画面の前にいたり、仕事・転職モードのまま他の作業に切り替わっていなかったりするため、このタイミングで即座に電話などでアクションを起こすと、圧倒的に高い確率で繋がり、その後の進捗が劇的に変わるといいます。
体制構築のハードルは高いものの、このスピード感こそが最大の武器になると語られました。
また、面接評価のばらつきを防ぐため、「S・A・B・C評価」の基準化と、「事実と所感の分離」を徹底。候補者が実際に話した内容(事実)と、面接官が受けた印象(所感)を明確に分けて記録することで、評価のブレを抑えています。
選考の判断基準としては、途中の面接では機会損失を防ぐために「迷ったら上の選考へ上げる」一方、最終面接では「迷ったら落とす」という哲学を徹底されています。
「自分より高い視座やレベルを持つ人材を完全に見極めることは難しい」という前提に立ち、少数精鋭の組織だからこそリスクを徹底的に抑える運用の重要性が示されました。
さらに、面接の枠組みだけでは見極めきれないスキルや実務適性を判断するために「ワークサンプルテスト」を導入。
1時間半ほどの時間で、実際の自社のリアルな課題をもとに、具体的なディスカッションやキャッチボールを行います。
これにより実務対応力や「一緒に気持ちよく議論できるか」をリアルに把握でき、大失敗のリスクを確実に防いでいるそうです。
また、万が一不採用となった場合でも、自社の課題解決に向けた有意義な壁打ちの機会になるという、実務に直結した非常に合理的な手法として紹介され、多くの参加者の関心を集めていました。

【第3部】事例共有|株式会社スリーエーコンサルティング
株式会社スリーエーコンサルティングより、「採用基準の明確化と標準化」をテーマに、実務に落とし込まれた具体的な取り組みが共有されました。
まず紹介されたのは、同社が設計している採用ペルソナです。
「考え方」「熱意」「能力」の3つの観点に分け、それぞれをさらに細分化することで、求める人物像を具体的に定義しています。
特徴的なのは、「能力よりも考え方・熱意を重視する」というスタンスです。
能力は入社後の教育で伸ばすことができる一方で、考え方やスタンスは変えることが難しいという前提から、選考においては人柄面を重視した評価を行っています。
こうしたペルソナ設計により、それまで曖昧だった採用基準が整理され、面接時の評価項目へと落とし込みやすくなり、結果として採用判断の標準化につながったといいます。
ペルソナの作成方法としては、主に2つのアプローチが紹介されました。
1つは、実際に活躍している社員の共通点を分析する方法。
過去の成功体験や挫折経験、行動特性などをヒアリングし、再現性のある要素を抽出していきます。
もう1つは、採用ニーズのある現場部署へのヒアリングです。
現場が求める人物像や必要なスキル・マインドを整理し、両者の共通点をもとにペルソナを構築しています。

また、詳細に設計したペルソナは、あえて「やりきるいいやつ」という一言で表現している点も印象的でした。
シンプルな言語に落とし込むことで、社内外への浸透や認識の統一がしやすくなり、採用活動全体の軸として機能しているとのことです。
さらに、選考プロセスにおいては、面接内容をスコアリングする仕組みも導入されています。
各質問がどの評価項目に紐づくのかを明確にし、回答内容に応じて点数を付与することで、最終的に合否判断を数値ベースで行う仕組みです。
これにより、面接官ごとの判断のばらつきを抑え、一定の基準で評価できる体制を実現しています。
加えて、現場でよくある課題として、
「ペルソナを作ったものの活用されない」
「項目が多すぎて形骸化してしまう」
「理想像が先行し、実態と乖離してしまう」
といった声も共有されました。
これらに対しては、
ペルソナを“共通言語”として組織に浸透させることや、
行動の背景にある動機(Why)に焦点を当てること、
実際のデータや現場の声をもとに設計することの重要性が示されました。
本事例は、単なるペルソナ設計にとどまらず、「いかに現場で使われる仕組みにするか」という観点で整理されており、採用活動の再現性を高める実践例として、多くの参加者にとって示唆の多い内容となりました。
【第4部】交流タイム|実務に落とし込むヒント交換
交流タイムでは、事例共有で得た内容をもとに、「自社にどう落とし込むか」という視点でのディスカッションが活発に行われました。
各社のリアルな状況を前提にした具体的な相談が多く、実務に直結する意見交換の場となりました。
中でも印象的だったのは、「採用」と「組織課題」が切り離せない関係にあるという点です。
ある参加企業からは、採用強化の必要性を感じている一方で、評価制度や人事制度の理解・運用が十分にできておらず、結果としてミスマッチや早期離職につながっているのではないか、という実情が共有されました。
また、経営層ごとに考え方や方針が揃っていないことによる意思決定の難しさや、トップダウンの文化と現場社員の価値観とのギャップといった、組織特有の論点についても議論が広がりました。
特に、従来のコミュニケーションスタイルが現在の社員には受け入れられにくくなっているなど、時代背景の変化に伴うマネジメントの難しさも話題となりました。
さらに、現場におけるハラスメントや労務面の問題といったテーマにも話が及び、採用だけでなく「定着」や「職場環境の整備」を含めた広い視点での認識が共有されました。
単に人を採用するだけでなく、「入社後に活躍・定着する状態をどうつくるか」が重要であるという共通認識が生まれていたのが印象的でした。

加えて、「評価制度をうまく説明できない」「自社の基準が曖昧なまま採用を進めている」といった声も挙がり、制度設計と採用活動が分断されている状況への問題意識も共有されました。
こうした議論を通じて、採用単体の施策にとどまらず、評価制度や組織文化、現場マネジメントまで含めた“全体設計”の重要性が改めて認識されました。
本交流タイムは、単なる情報交換にとどまらず、「自社に当てはめるとどうか」「何から着手すべきか」といった具体的なアクションを考えるきっかけとなり、各社にとって実践的な学びの多い時間となりました。
■参加者の声(一部抜粋)
- 株式会社Awarefy様のお話が具体的で、非常に興味深く参考になりました。
- 他社様の採用での工夫や課題点などを聞けたので非常に勉強になり、事例がとても興味深かったです。
- 普段他社の人事の方とお話をする機会が少ないため、刺激をいただきました。
- いろいろとアドバイスも頂いたり、面接時の質問など参考になることがありました。
- 交流タイムの時に他社さんの事例がとても参考になりました。
■まとめ
今回の人事会では、「採用、欲しい人物像」をテーマに、採用・定着・評価といった人事領域における幅広い課題について議論が行われました。
参加者の多くが、
- 自社に合う人材をどのように見極め、採用につなげるか
- 求める人物像をどのように言語化し、選考に落とし込むか
- 採用後のミスマッチを防ぐために、どこまで見極めるべきか
といった、採用実務に直結する悩みを抱えており、単なる情報収集ではなく「自社でどう活かすか」という視点での意見交換が印象的でした。
事例共有では、採用プロセスの設計や見極め手法、ペルソナ設計など、各社の工夫や考え方が具体的に紹介され、参加者それぞれが自社との違いや共通点を照らし合わせながら理解を深めていました。
また、交流タイムでは立場や業種を越えてリアルな課題が共有され、「他社も同じように悩んでいる」という気づきや、「まずはここから取り入れてみよう」という実践的なヒントが多く生まれていました。
人事の課題は一社で完結するものではなく、外の視点を取り入れることで初めて見えてくるものも多くあります。
今回のような場が、各社の取り組みを一歩前に進めるきっかけとなっていれば幸いです。
今後も、現場のリアルな課題に寄り添いながら、実務に活かせる情報交換の場を提供してまいります。

ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
■今後の開催について
マモリクラブ人事会は、今後も毎月開催予定です。
ネットでは得られない、現場のリアルな声を共有し合い、
中小企業の「守備力」を高める場として、引き続き企画してまいります。
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